国際バカロレアのTOKって何?

- 国際バカロレアに興味がある!
- IBの必須科目の1つ、TOKって何?
こんな方に向けた記事です。
国際バカロレアでは教科の科目以外にも、こなすべき課題がたくさんあります!TOKはその1つで、IBDiplomaの過程で初めて登場します。複雑な訳ではありませんが、事前に仕組みを理解しておかないと後々大きな失敗へと繋がります。
今回は、元IB生の方に伺った話を元に、TOKとは何なのか・その仕組みについてお話しします。
本記事を読めば、IBDP過程で必須のTOKについて理解でき、国際バカロレアのDiploma取得へと一歩近づけます。
- TOKの基本情報
- AOK
- WOK
- 難易度は?
- TOK合格の必須項目
- Essay
- Presentation
- TOKの採点とIB最終スコア
国際バカロレア・TOKの基本情報

はじめに、TOKとはTheory of Knowledgeの略です。
その名の通り、知識(knowledge)とはなにかをdiscussionベースで学習していく教科です。哲学的かつ抽象的で答えのない(または無限にある)問いについて、自ら考えて意見を持つ、というイメージでしょうか?
つまりTOKとは、MathやSocial scieinceのように、特定の知識体系を深める学問ではありません。考える力そのものを磨いていく学問です。
日本語で言うと難しいですが、道徳や哲学のような答えのない科目であると認識すればOKです!
Academicな科目とは少し異なりますが、TOKにも他のIB科目のように合格する為の条件があります:
- 一人10分のTOK presentation
- 1200単語以上、1600単語以下のessayの提出
これらはIBDPに挑戦するすべての学生が取り組むべき課題です!

難しいイメージを持たれるかもしれませんが、まずはなんとなくで良いので読み進めてください!
TOKについてもっと詳しく説明すると、8つのArea of Knowledge (AOK)に置ける様々な「知識」について考えます。8つのAOKは以下の通りです:
- mathematics
- natural sciences
- human sciences
- history
- the arts
- ethics
- religious knowledge systems
- indigenous knowledge systems
上で紹介したAOKの加えて、8つのWays of Knowing(WOK)が存在します。AOKのトピックから出題された課題を、WOKを使ってより深く探求していく、というのが国際バカロレアにおけるTOK科目でやるべきことです。
Ways of Knowingは、
- language (言語)
- sense perception (感覚)
- emotion (感情)
- reason (理由)
- imagination (想像)
- faith (信仰)
- intuition (直感)
- memory (記憶)
の8つの項目で構成されています。
TOKに関しては、IBOがより詳しく解説した文書を公開しています。より深く理解しておきたい方は、一度目を通すことをオススメします!
ただし、国際バカロレアのDiploma過程が始まる前に、学校側から詳細な説明がある場合がほとんどだと思いますので、完璧に理解しておく必要はありません。
今回は当サイトを流し読みする程度でも十分だとは思います。
TOK合格のために必要な事

そんな難しいイメージのTOKですが、合格するために必要な事は2つだけです。
- TOK Essay
- TOK Presentation
以上が合格の為に必要な課題となります。
「Essayとプレゼンに自身がない!」という方は、IB Diplomaでは多くの科目がessayとpresentationを採用しているので、こなしていくうちに慣れてくるのでご安心ください。
それでは、TOK EssayとPresentationの解説へと移ります。
TOK Essay
TOK Essayでは、1200単語以上1600単語以下のエッセイを提出します。[1]
このTOK essayは毎年、IBOの方からテーマが6つ提示され、その6つのテーマの中から、自分が一番書きやすいと思ったものを1つ選びます。
IBではExtended Essayという卒論を書く必要がありますが、TOKとEEは別物です!
EEのエッセイでは与えられたテーマから選択し、EEでは自分でテーマを決めます。
また、TOKの先生に合計3回までのアドバイスを受けることができ、内容のアイディアに対してのコメントや、essayのdraftを見て貰えます。

essayの方向性を固めていく為にも、先生と説教的に話をして、アドバイスをもらうと良いですよ!
TOK Presentation
もう一つの合格条件は、一人あたり10分間のTOK presentationを行うことです。
このプレゼンは、IBOからは2人1組みが推奨されているそうですが、1人や3人で行うこともできます。
ただし、プレゼンの持ち時間には決まりがあり、一人で行う場合は持ち時間10分、2人で行う場合は20分、3人で行う場合は30分と、一人当たり10分という持ち時間は変わりません。
また、プレゼンのテーマに関しては自分たちで決めることができます。
TOKの採点とIB Diploma最終スコア

TOKの評価は、EEと共にA〜Eの5段階で評価されます。
この2教科の評価は、0〜3点のボーナス点に変換され、これが最終スコアに加算されます。IBDPの科目が42点満点ですので、TOK+EEの3点が加わり、45点が満点となります。

この3点は満点が狙いやすいです。国際バカロレアでの大学進学は1点を争うので、3点取っておくことがとても大切です!
TOKやIB過程全体を通して、英語力が高いほど有利な事は間違いないです。
可能であれば、Diploma過程が始まるより前に、英語力を上げる準備をしましょう!
英語の上達に関しては、こちらの記事を参考にして貰えると思います。
TOKで高得点を狙うコツは、いかに自分の経験談をAOKやWOKに関連づけられるかだと思います。
Essayやプレゼンの内容を決める際は、自分の過去の経験を振り返ってみて、どうにか関連づけられないか、考えてみる事をオススメします。
TOKは全生徒がG11の最初にスタートダッシュを切るので、良くも悪くも大きな差がつき辛い一面もあります。Diploma過程で、きちんと話を聞いて課題をこなせば、着実に伸びていきますよ!
<参考文献>
[1] “Theory of Knowledge Guide (First Assessment 2015)
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