バイリンガルディプロマって何?

- IBDPの取得を検討中です。
- 国際バカロレアで取れる資格の種類が知りたい!
こんな方に向けた記事です。
Bilingual Diploma(バイリンガルディプロマ)という言葉を聞いたことがありますか?
Bilingual Diplomaとは、IB Diploma過程で取得出来る物の一つです。しかし、取得には条件がありますので、事前に下調べを行わないと、実像が理解できないままIB過程が進む事になります。
今回は元IB生の協力のもと、国際バカロレアのバイリンガルディプロマについて調べました。
この記事を読めば、Bilingual Diplomaの取得方法と大学受験に向けたメリットが理解でき、IB取得に向けた下調べが一つ完了します。
- Bilingual Diplomaについて知っておきたいこと
- バイリンガルディプロマの取得の条件
- Bilingual Diplomaは大学入試で有利?
Bilingual Diplomaについて知っておきたいこと

Bilingual Diplomaとは、IBDPで取得可能な資格の一種です。
内容としては、このBilingual Diplomaを取得した生徒は、バイリンガルな人材(2ヶ国語を自由に操れる人)であることが証明される、というものです。
資格の取得には条件がありますが、以前と比べると簡単になっています!以下でBilingual Diplomaのポイントを簡単に纏めています:
- Bilingual Diplomaを取得するには、「Japanese AとEnglish A」または「Japanese AとEnglish B」を選択する。
- 以前と違い、英語と日本語両方をLanguage Aにしなくても取れるようになりました!
Language AなどのIB科目についてまだ理解できていない方は、こちらの記事で詳しく説明しています。

IBにこれから挑戦する人は、まずはしっかりとIBの科目を理解しよう!
バイリンガルディプロマ取得のために、以前は英語と英語以外の言語の両方をLanguage Aで取る必要がありました。しかし2015年ごろに条件に変更があり、より簡単に取得できるようになりました!
バイリンガルディプロマ取得の条件

2017年時のBilingual Diploma取得条件は以下の2つで、いずれかを満たせば取得可能です[1]:(2020年現在も変更はなさそうです)
- Language Aを2言語取り、両方で3/7以上の成績を取得する。
例)Japanese AとEnglish A
例)Chinese AとJapanese A - Group 3(社会)又はGroup 4(理科)の科目を、Language Aの言語以外で取り、両方の科目で3/7以上の成績を取得する。
例)Japanese をAで選択し、Group 3又はGroup 4の科目を英語で授業する。
上記が以前の条件で、以前は上のLanguage A (ネイティブレベル)を2言語で取る事が唯一の条件でした。
しかし現在は、社会・理科の科目をLanguage Aで選択した言語以外で受講した生徒にもバイリンガルディプロマが授与されます。
Language A をJapaneseで選択すれば、必然的にLanguage BはEnglishになります。
そして、Group 3/4の科目を英語で勉強していれば、Bilingual Diplomaの条件が満たせます。
つまり、海外の学校でIBDPを取っている方は、Japanese AとEnglish Bを選択すれば、条件をクリアすることができます。

かなり簡単に取ることができるようになったんですね!
実際に、Japanese AとEnglish Aを並行して取るには、かなりの語学力が必要です。
そんな無理をせずとも、全ての授業が英語で行われている学校に通っているのであれば、日本語をLanguage Aにするだけで、Bilingual Diplomaは取れますよ!
Bilingual Diplomaは大学入試で有利?

最初にはっきり言うと、対大学入試としての効果は薄いと思われます。特に、帰国子女入試では力を発揮し辛いです。
理由は、日本の帰国子女入試の場合は小論文やTOEFLのスコアなど、他の判断基準がたくさんあるからです。
日本の大学の帰国子女入試に関する記事はこちら。
また海外の大学に進学する場合は、バイリンガルはたくさん居ますから珍しさはありません。

もちろん、ひとつのアピールポイントにはなりますが、
Bilingual Diploma単体で押し通せるほどの強みにはならないでしょう。
必死にBilingual Diplomaを取得するのであれば、小論文の対策を徹底したり、英語力を上げてTOEFLで高得点を狙う方が効果的でしょう。
特に、英語力を上げる事は、英語でのカリキュラム全体の点数の底上げにも繋がりますのでオススメです。
こちらの記事を参考に、英語力を伸ばして下さい!
またLanguage Aを2教科取る予定の方も、あまりオススメはできません。
これは大学側の傾向として、Language AでGrade4を取るより、Language BでGrade7を取得した方が高い評価を得る傾向にあるからです。
もちろん、大学が求めるレベルや条件によっても変わります。例えば難関大学であれば、アピールポイントが多い方が、他の受験生と差別化がし易いですよね。
しかし多くの元IB生が、

大学が必須条件として求めていない限り、2言語両方をLanguage Aで取ることはオススメしません。
と言っていたのも事実です。
Bilingual Diplomaは昔と比べ取得の難易度が下がっています。
ですので、Language Aを2言語両取りする必要はなくなりました。
しかし最後に話をした通り、全体の点数を考える必要もあります。
国際バカロレア自体が元々大変なプログラムですから、不必要なムリはしないことも大切だと思います!
<参考文献>
[1] “General Regulation Diploma Programme” より”Ⅲ. Assessment, Article 14: Form of the results” を参照
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