国際バカロレア挑戦の日本時ならではのメリットとは??

- 国際バカロレア(IB)について調べている・取得を考えている。
- 現在留学している、またはインター校に通っている。
こんな方に向けた記事です。
IB (国際バカロレア)取得のメリットには大小様々なものがありますが、日本人だから感じるメリットもたくさんあります。その点、IB挑戦を通して受けるメリットには、単純な大学受験対策以上のものがあると思います。
しかし国際バカロレア取得は難易度が高いのも事実で、IB挑戦はリスクを伴うものとなります。
今回は、実際にIB Diplomaを取得した帰国子女のインタビューを基に、日本人ならではのIBDP取得のメリットを紹介していきます。大学進学に関する内容、その後のキャリアを見越した学びなど様々なものがありました!
この記事を読めばIB取得のメリットが理解でき、自身の進路選択の為の決断に大いに役立てていただけると思います。
- 国際的に知名度が高い
- フレキシブルな科目選択が可能
- 学業面以外でも、学ぶことが多数
- IBDP取得後に後悔することはない
- 英語力は必要です 〜最速で上達する方法〜
国際バカロレアは海外での認知度が高い

国際バカロレアの特徴的なメリットの一つとして、国際的な認知度の高さが挙げられます。
例えば2019年時点で、5000校のIB校(IBを実施している学校)が150カ国以上にあります。イギリスやオーストラリなど、世界中の多くの大学でIBDPを大学入試の代わりとして使用できます。
IBは海外でも広く認知されているので、この入試システムにおいても各国で公平かつ明確な評価が貰える、という訳です!
日本の高校の成績は高校ごとでばらばらのカリキュラムに基づいており、なおかつ日本語での内容です。海外(英語圏)の大学からすると成績での評価がし辛いので、一般的には大学留学前に留学準備学校やファウンデーションコースに通う事が必要となります。
対して国際バカロレアで高校を終了している場合は、海外大学の受け入れが非常にスムーズになります。大学での留学を考えている方には、これだけでも非常に大きなメリットです。

認知度の高い英語でのカリキュラムなので、大学入試での扱いも現地の生徒に近い内容となります!
このように、「大学受験を見据えて」という観点から見ると、国際バカロレアはたしかに魅力的なカリキュラムです。
ただし、スコアが高いほど入試の際に有利に働く点では日本の内申点と同じです、「IBを取っただけ」ではプラスに働き辛いのでご注意下さい!
ちなみに日本でも文部科学省が卒業資格として認めています。海外に比べると数は少ないですが、複数の大学がIB Diplomaを大学入試の代わりとして認めています。
志望大学によっては大きな武器になるかもしれません。
下の記事で海外・日本に分けて、大学入試に関係したIBの認知度を調べていますので、気になる方は下の記事からどうぞ。
国際バカロレアでは、フレキシブルな科目選択が可能

2つ目のメリットは科目選択の際の、自由度の高さです。
国際バカロレアの科目選択はかなりフレキシブルです。これはGrade 10の科目選択時に、将来的に文系と理系のどちらに行くのか決まっていない生徒にとっては、とても大きなメリットです。
IBDPの科目選択では「文系・理系どちらの科目も取る必要がある」というルールがあります。たとえ文系であっても、理科と数学も1教科ずつ取る必要があります。理系であっても、第2言語と社会は取らないといけません。
これは将来的な方向性を複数持てるという大きなメリットであり、

まだ将来何がしたいかわからない。。

文系か理系か、まだ迷っている!!
という方でも、理系科目1つと文系科目1つをHLで取れば、決断を先延ばしにする事ができます!
自分でもどちらの道か決めきれない時に決断するより、はっきり分かった後で決断した方がスッキリしますよね。
実際にIBDPの2年の間に特定の進路に興味を持ったり、どちらの方が自分に向いているのかに気付く可能性も大いにあります。
IB Diplomaの前過程である、MYPではIBDPと同じ科目が選択できます。難易度は違いますが、雰囲気などが事前に経験できます。
興味のある科目は、事前にMYPで選んでおくとよいでしょう!
また、経営(Business Management)や経済(Economics)などの科目から、演劇や心理学などの一風変わった科目まで、国際バカロレアの科目は本当に多種多様です。
自分の興味を伸ばすチャンス、将来の選択肢を決める為に多くの情報に触れるチャンスがあります!

科目選択に関しては、同じIB校であっても学校ごとに提供する科目が異なります。
学校のホームページなどで見れるので、実際に調べてみると良いですよ!
専門的な内容に早いうちから触れておく事で、自分の将来の設計図をより具体的に描く事も可能となります。全員が同じ時間割ではない、自分の興味でカスタマイズが可能、という点は非常にユニークですよね。
ただし国際バカロレアでの大学受験では、学部によっては大学から必須教科の指定があったりするので要注意です!(理系に興味がある人は特に気をつけて下さい、MathのHLやPhysicsが必須の場合があります)
この場合、IBDPが始まる前の科目選択で必須教科を選択しておく必要があるので、気になる大学と学部の入学requirementは早めにチェックして下さい!
国際バカロレアでは、学業面以外でも学ぶことが多数

IBのカリキュラムが重要視する「国際性」はとても素晴らしい特徴です。他にもボランティア活動やクラブ活動を強く推奨していたり、立派な社会人(国際人)になる為に必要な内容が詰まっていると思います。
科目選択から見える通り、生徒個人の自主性を重んじ、上記の通り学問以外の様々な内容がカリキュラム内に組み込まれています。

それぞれに合った形で力を伸ばす。考える事を大切にし、答えだけを追わない。これらの海外らしい特徴を持ったカリキュラムを言えます。
また学術的な面を見ると、エッセイの多さが特徴的です。その内の1つ、Extended Essayでは4000単語の長いessayを書き上げる事が必須となります。
カリキュラム終了までにかなりの数のエッセイを書く事になりますので、IBDPを取得する頃には正しいエッセイの書き方が体に染みついています。長文のライティングを苦にしない事は、大学進学後に大きな武器になります。
筆者の大学の級友にもIB生が何人か居ますが、Essayの細かい部分などが凄く丁寧だと感じます。これもIBから学べるスキルかもしれません。
またIBの特徴の一つとして、essay以外にもプレゼンやcritical thinkingなどの、通常の高校カリキュラムでは取り扱わないスキルもたくさん学べる点が挙げられます。

IBDPの取得を通して、今後大学や社会で必要になってくる様々なスキルを身につけることができます!
IBDPを通して身につくスキルは、海外の大学への進学を考えている方にとっては、大学進学後に求められるスキルと同じものも多いです!
加えて、IBDPでは膨大な量の課題をこなさないといけません。今回インタビューした生徒の話によると、IBDP生はいくら時間があっても足りないぐらい忙しいらしいです。
しかも、いつも課題に追われている状態を2年間経験することで、時間を有効活用する術を身につけることができます。
実際にIBDP生の間では、大学入学後に「大学って意外と楽」と感じる、という話は有名です。
これは膨大な量の課題に慣れている事、そして課題をこなしていく術を知っているからだと思います。
IBDP取得後に後悔することはない

今回の記事ではIBDPのメリットに焦点を当てています。よってデメリットの深掘りはしませんが、実際には国際バカロレア取得前に知っておきたいポイントも複数あります。IBDP取得の過程は、長く辛い道のりになると思います。
国際バカロレア・IBDPのデメリットに関してはこちら。
IB取得には大きな労力がかかるイメージもあったので、「IB生は後悔していないのか」と筆者自身も疑問に思っていました。しかし事前の想像に反し、今回お話しを聞いた全員が口を揃えて「IB取得は自分にとってプラスの経験であった」と答えていました!
IB過程そのものは大変でも、その辛さを全て乗り越えてDiplomaを取得した暁には、

IBDPをやって良かった!!
という気持ちになるそうです。
上記で説明した3つのメリットもあるようですが、「IBを乗り越えた」という経験が大事だそうです。
確かに、インター校に通うことや留学すること自体が貴重な経験であると思いますので、その生活の中で何かを成し遂げた経験は、今後も消えない一つの財産になるのかもしれません。
国際バカロレアの成功には、英語力が必須です

ここまで国際バカロレアのメリットをお話ししてきましたが、やはりIBDPの難易度がそもそも高い事もあり、IB取得の為には一定以上の英語力が必要なことも事実です。
特に海外の高校でIBDPに挑戦する学生に関しては、TOEFL80点くらいの英語力は必要になると思います。もちろん、IB挑戦前に必須なわけではなく、IBの過程で到達できれば問題ありません!
英語力が低いと、例えばライティングやテストの回答も稚拙になりますし、文章の読解や授業の聞き取りでも難しい箇所があるかもしれません。
個人的な印象ですはありますが、IBDP挑戦に必要な英語力のレベルを定義するのであれば、TOEFL80点が取れる英語力がある事(またはIBDP過程でそのレベルに到達できる自信がある事)は一つの目安になりそうです。
国内の高校でIBを取得する場合は、学校に事前に相談する事をお勧めします(科目によっては日本語で取れるものもあるので、難易度の調整ができるかもしれません)。
海外の高校の場合は、留学して1年未満でのIB挑戦は学校側もおススメしていない場合がほとんどです。学年を下げて、もう一年準備することをおススメされると思います。これもIBDP取得の為に、一定以上の英語力が必要であるからだと思います。

例えば、G9の後半やG10の前半でインター校に通いはじめた学生は、もう一年同じ学年を繰り返して、英語力を上げたり、IBの科目に慣れてから、Diplomaに挑戦することをおススメされると思います!
IBで良いスコアを取る為には、英語力を上げることが必須です。
その為には、「単語力」+「文法力」を上げることが必須となります。
特に文法の勉強は自学では難しいものがありますが、英語学習法の記事でおススメの勉強法とテキストを紹介しているので、参考になれば幸いです!
英語学習法の詳しい解説はこちら。
今回はIBDP取得のメリットについてお話ししました。
大学進学の際にも力を発揮し、進学後に必要なスキルまで教えてくれるなど、将来的に受ける恩恵は非常に大きいようです!国際バカロレアで学んだ内容は、その後の学生・社会人生活の中でも使える、非常に実践的かつ本質的なものが多い、そんな印象を受けました。
ただし最後にすこし触れたように、IBDPの取得は大変な場合がほとんどです。
デメリットも理解した上で、自分に必要かどうかを決めるべきだと思います!
下の記事でIBDP取得のデメリットを深掘りしているので、セットでお読み下さい!
コメント
はじめまして。
竹村と申します。
記事拝見しました。
とても勉強になりました。
ありがとうございます。
私には小学4年生と1年生の息子がいます。
私の母校の高校が数年前、国際バカロレア認定校になり、中高一貫校になりました。
それを知っている長男は私と同じ学校に行きたいと言っていますが、
国際中学校の受験は県内でも1番の難関で、倍率もすごいです。
英語も早く身に着けておくと有利だと思いますが、
小学校4年・1年から家庭ではどのように英語学習を取り入れていくと、
効果的でしょうか?
コロナが流行する前は週に1回1時間英会話教室に通っていて、
アメリカ人の女性に教えてもらっていましたが、
今はそれもなくなり、再開のめどは立っていません。
私は大学時代に1カ月だけイギリスに留学をしたことがあり、
専攻も国際コミュニケーションでしたので、そのころは少しは理解出来ましたが、
今では自分で書いた英語の論文もわからないくらいの英語力になってしまいました。
夫は20代前半に半年イギリス留学をしていまして、
今の職場でも英語を使う機会がたまにあるようなので、
発音は微妙ですが、簡単なコミュニケーションは取れるレベルです。
コメントありがとうございます。
英語学習に関しては、環境による違いも大きいので、あくまで私自身の経験からに限定してお話をさせて頂きます!
英語力は勉強時間に比例して伸びます。早めに始めた方が良いのは、おっしゃっている通りです。具体的には、単語力を上げる事、英語との接点を増やす事が大切だと思います。
またこの際、「英語を学ぶ意識」も大切です。
私は中学生で留学する以前に、小学校高学年の時に週1で2年間、中学生の留学直前に週3で半年間、英会話教室に通いました。しかし結果として、留学後に英語を勉強していく過程で、以前の英語教室での学習が役にたったと実感する機会は少なかったです。理由としては、英語を実際に使うイメージが欠けたまま、言われるがままに学習していたからだと思っています。例えば、以前習っていた単語や文法であっても、「この場面でこんな風に使う」というイメージが出来ていなければ、実戦と結び付けることは難しかったです。
せっかく英語教室に通われるのであれば、「今日習った英語はどんな風に使うのかな?」という会話をする、というのはどうでしょうか?
他の提案としては、可能であるのなら、ホームステイのホストファミリーなどをやってみると良いかもしれません。外国との接点を身近に感じ、英語に対する認識も変わると思います。
以上あくまで提案ではありますが、質問のお答えになっていれば幸いです。